ハーフマラソン計画ツール

ハーフマラソン サブ90ペース計算

目標タイムとペース配分を選ぶと、5kmごとの通過タイム、前半と後半の1kmラップ、そのまま腕に巻けるペースバンドまで出ます。サブ85からサブ2時間まで、持ちタイムを入れれば、その目標がいまの走力から見て現実的かどうかも判定します。登録なしで使えて、入力した内容はこの端末から出ません。

目標タイム

目標ちょうどで計画すると、計画どおり走ってフィニッシュが目標タイムと同じになります。号砲からスタートラインまでのロスやGPSの誤差はそこに乗るので、1分引いておくのが安全です。

後半を2%上げる配分です。序盤は「遅すぎるのでは」と感じますが、その感覚が出ているうちは抑えられている証拠です。15km以降に残す余力を、前半で作っておく考え方になります。

サブ90・1分の余裕 · 計画タイム1時間29分00秒
4分13秒/km
21.0975kmの平均ペース
前半ペース
4分16秒/km
44:57
後半ペース
4分11秒/km
44:03
中間点通過
44:57
10.54875km
前後半の差
0分54秒
後半が0分54秒速い
5km通過タイム表
地点通過タイム区間ペース
5km21:184分16秒/km
10km42:374分16秒/km
中間44:574分16秒/km
15km1:03:324分11秒/km
20km1:24:254分11秒/km
フィニッシュ1:29:004分11秒/km

1kmラップは前半4分16秒/km・後半4分11秒/kmです。中間点でペースを切り替えるので、10km地点までは前半のラップを守ってください。

給水・補給プラン
持ちタイムから実現度チェック(任意)
10km40分00秒からの換算
1時間28分15秒
現実的

計画タイム1時間29分00秒に対して0分45秒速い予測です。残りの課題は走力よりも、当日のペース管理です。週に1回、計画のペースちょうどで20分前後のテンポ走を入れて、レースペースの感覚を体に覚えさせてください。

この結果を保存 — また戻って、どう変わったか確かめましょう。

無料 — カード不要、30秒。結果はそのまま引き継がれます。

この配分で走りきるための練習を、いまの1週間に合わせて組み直します。

ペースバンド(印刷用)
サブ90ペースバンド · 1時間29分00秒 · ネガティブスプリット2%
5km21:18
10km42:37
中間44:57
15km1:03:32
20km1:24:25
フィニッシュ1:29:00

印刷すると、このバンドだけが1枚に出ます。リンクには目標・余裕・戦略・持ちタイムが入るので、そのままチームやコーチに渡せます。

なぜサブ90を「1時間30分ちょうど」で計画してはいけないか

サブ90とは90分を切ること、つまり1時間29分59秒以内でフィニッシュすることです。ところが多くの人が、1時間30分00秒を目標タイムとしてペースを計算します。この計画には余裕がひとつもありません。計画どおりに21.0975kmを走りきって、時計はちょうど1時間30分00秒。どこかで数秒でも遅れた時点で、サブ90は消えます。

そこに、計画の外側にあるロスが乗ります。規模の大きい大会では、号砲が鳴ってから自分がスタートラインを踏むまでに、数十秒から数分かかります。ネットタイム(スタートラインを越えてからの計測)で判定される大会ならこの時間は影響しませんが、グロスタイム(号砲からの計測)で公式記録が残る大会では、そのままタイムに乗ります。エントリーした大会がどちらなのかは、募集要項に必ず書いてあります。

もうひとつのロスは距離です。コースの21.0975kmは、最短距離(各カーブの内側を通るライン)で測られています。実際にはカーブの内側を走れず、給水所で膨らみ、前の人をよけ、道の中央を走ります。GPS時計が21.3kmや21.4kmを表示するのはこのためで、時計が壊れているわけではありません。0.3km余分に走れば、サブ90のペースでは1分15秒になります。

このページが既定で目標から1分引くのは、この2つを置くための場所です。1時間30分00秒ではなく1時間29分00秒。この1分は、遅れたときに取り返すための余裕ではなく、最初から失うとわかっているものの置き場所だと考えてください。余裕は0秒から2分まで選べます。GPS時計だけを見て走るつもりなら、1分以上をおすすめします。

イーブンとネガティブの選び方

ペース配分の選択肢は3つです。前半と後半を同じペースで走るイーブンペース、後半を速くするネガティブスプリット、前半で貯金をつくるポジティブスプリット。結論から書くと、市民ランナーが選ぶべきなのは前の2つのどちらかです。

フルマラソンでは前半の貯金が後半の燃料切れになって返ってきますが、ハーフの理屈は少し違います。ハーフは、1時間前後なら保てるかどうかというペース——乳酸性閾値のすぐ下——で走る競技です。前半を計画より10秒/km速く走ることは、その境界線を越えて走ることと同じで、越えた分の疲労は消えずに積み上がります。フルより距離が短いぶん破綻も浅く見えますが、閾値を越えた借金はハーフでも確実に、たいてい15km前後で返済を求めてきます。世界記録も、市民ランナーの自己ベストも、ほとんどがイーブンかわずかなネガティブスプリットで出ています。

そのうえで、ポジティブスプリットにも使いどころはあります。前半に長い下り、後半に上りがあるコース。後半に強い向かい風が確実に吹く海沿いのコース。こうした条件では、前半でわずかに貯金をつくるほうが合理的です。ただしそれは「コースがそうだから」であって、「今日は調子がいいから」ではありません。スタート直後に体が軽く感じるのは全員に起きることで、走力の証拠ではありません。この配分を選ぶなら1%までにしてください。3%は、前半を飛ばして17kmから失速する典型的なパターンそのものです。

ネガティブスプリット2%は、前半を平均より少しだけ抑える配分です。サブ90なら前半4分16秒/km、後半4分11秒/km。序盤は「遅すぎるのでは」と感じるはずですが、その感覚があるうちは抑えられている証拠です。ハーフでは、10km地点で余裕を感じないほうが問題です。

ハーフに「30kmの壁」はない。それでも15kmで失速する理由

フルマラソンの「30kmの壁」は、体に蓄えた糖質(グリコーゲン)が尽きることで起きます。ハーフには、この意味での壁はありません。グリコーゲンは筋肉と肝臓を合わせて90分前後の全力走をほぼまかなえるので、サブ100前後までの計画なら、燃料はぎりぎり足りる計算になります。ハーフの失速は燃料切れではなく、別の場所から来ます。

来るのはペースの側からです。ハーフのレースペースは乳酸性閾値のすぐ下にあり、前半でわずかでも閾値を越えると、そこから先は疲労が直線的ではなく雪だるま式に積み上がります。15km前後で急に脚が重くなる、フォームが崩れる、同じ感覚で走っているのにラップが10秒落ちる——ハーフで心当たりのあるこの経験は、意思の問題でも燃料の問題でもなく、最初の5kmのペースの問題です。気温が高い日は発汗で心拍が上がり、同じ現象がもっと手前で起きます。

つまりハーフの対策は、フルのように補給計画ではなく、配分そのものです。イーブンかわずかなネガティブスプリットで最初の5kmを我慢することが、15km以降のためにできるほぼすべてです。ジェルはあくまで保険で、取るなら効き始めまでの20〜30分を逆算して、10km地点までに取ってください。15km以降にできることの大半は、10kmより前に終わっています。

ペースバンドの使い方

ペースバンドは、5kmごとの通過タイムを書いた紙を腕に巻いたものです。GPS時計がある時代に紙、と思われるかもしれませんが、時計より確実な場面があります。ビル街やトンネル、木の多い区間ではGPSが乱れ、表示ペースが実際と大きくずれます。ラップの距離もずれるので、時計の「15km」とコースの15km地点の看板が数百メートル食い違うことがあります。コースの距離表示は主催者が実測したものなので、正しいのはそちらです。

使い方は単純です。5kmごとの看板を通過したら、時計の経過時間とバンドの数字を比べる。それだけです。差が20秒以内なら計画どおり。前半で30秒以上速いなら、調子がいいのではなく、単にオーバーペースなので落としてください。後半で遅れているときは、取り返そうとしないでください。閾値ぎりぎりで走っている残り数kmでペースを上げると、遅れが数十秒から数分に広がります。

印刷ボタンを押すと、このページからペースバンドの表だけが1枚に出ます。汗と雨で必ず濡れるので、透明テープを両面に貼るかラミネートして、腕に巻ける幅に細く切ってください。ゼッケンの裏に貼っておくのも確実な方法です。

持ちタイム換算の限界

実現度チェックにはリーゲルの式を使っています。ある距離の記録から別の距離の記録を予測する式で、ハーフの予測は「その記録 ×(21.0975 ÷ その距離)の1.06乗」で計算します。1977年にPeter Riegelが複数の競技の記録から求めた指数で、いまも標準として使われています。10kmを40分00秒で走れる人なら、換算は1時間28分15秒になります。

この式には大きな前提があります。「その距離に見合った練習を積んでいる」ことです。10kmを40分で走れる人がハーフを1時間28分で走れるのは、10kmの走力に釣り合うだけの走り込みをしている場合に限られます。5kmのスピードだけで走ってきた人、15km以上を走ったことがない人がこの式に記録を入れると、実際のハーフは予測より数分遅くなるのが普通です。ハーフの結果を決めるのは、この式が見ていない部分——閾値ペースを保つ練習と、15km以降も崩れないだけの走行距離です。

距離が近いほど予測は当たります。10kmからの換算はかなり参考になり、5kmからの換算はスピード型の人ほど楽観的な数字になります。持ちタイムを選ぶときは、いちばん長い距離の記録を使ってください。

判定が「現実的」と出ても、それは「いまの走力なら計算上は届く」という意味であって、「当日そう走れる」という意味ではありません。逆に「挑戦的」と出ても、レースまでの期間が十分にあるなら十分に狙えます。この判定は目安です。実際のコースの高低差、当日の気温と風、その日の体調で結果は動きます。