レース計画ツール

駅伝ペース配分計算

区間の距離と走者のペースを入れると、区間タイム・タスキ渡しの経過タイム・チームの予想フィニッシュタイムが出ます。ペースの代わりに5km持ちタイムからの予測も使えます。登録なしで使えて、入力した内容はこの端末から出ません。

区間構成

5-10-5-10-5-7.195kmは、フルマラソンと同じ42.195kmを6人で分けるときの一般的な構成例です。実在の大会の正式な区間距離ではありません(区間数も距離も大会ごとに異なり、同じ大会でも年によって変わります)。出場する大会の要項が手元にあるなら、そちらの距離を入れてください。

走者と区間ペース
第1区4分25秒/km・22分05秒
第2区4分40秒/km・46分40秒
第3区4分30秒/km・22分30秒
第4区4分41秒/km・46分55秒

5kmの持ちタイムから、リーゲルの式(t2=t1×(d2/d1)^1.06)でこの区間のペースを予測します。

第5区4分35秒/km・22分55秒
第6区4分45秒/km・34分11秒
6区間 · 42.195km
3時間15分15秒
予想フィニッシュタイム
平均ペース
4分38秒/km
総距離ぶんの総タイム
総距離
42.195km
1区間あたり平均7.033km
区間距離走者区間ペース区間タイムタスキ渡し(経過タイム)
第1区5km第1走者4分25秒/km22分05秒22分05秒
第2区10km第2走者4分40秒/km46分40秒1時間08分45秒
第3区5km第3走者4分30秒/km22分30秒1時間31分15秒
第4区10km第4走者4分41秒/km5km持ちタイムから予測46分55秒2時間18分10秒
第5区5km第5走者4分35秒/km22分55秒2時間41分05秒
第6区7.195km第6走者4分45秒/km34分11秒3時間15分15秒
合計42.195km4分38秒/km3時間15分15秒3時間15分15秒

いまの区間構成がそのまま入ったリンクを作ります。受け取った人が開くと、この表が同じ状態で出ます。

この結果を保存 — また戻って、どう変わったか確かめましょう。

無料 — カード不要、30秒。結果はそのまま引き継がれます。

どの区間に誰を置くか、どこを強化すれば全体が縮むかは、走者の顔ぶれで変わります。コーチが今の練習に落とし込みます。

目標タイムから逆算
必要な均等ペース
4分30秒/km
3時間10分00秒÷42.195km
いまの配分との差
5分15秒
足りません(315秒)
区間距離必要な区間タイムタスキ渡し(経過タイム)
第1区5km22分31秒22分31秒
第2区10km45分02秒1時間07分33秒
第3区5km22分31秒1時間30分03秒
第4区10km45分02秒2時間15分05秒
第5区5km22分31秒2時間37分36秒
第6区7.195km32分24秒3時間10分00秒

この表は「全区間を同じペースで走ったら」という前提の基準線です。実際には区間の距離も起伏も走者の力も違うので、ここから速く走れる区間と守る区間に配分し直してください。

駅伝のペース配分は合計で決まる

駅伝がマラソンと決定的に違うのは、速い走者と遅い走者が交ざったまま1本のタイムになるところです。マラソンでは自分のペースが自分のタイムですが、駅伝では6人の区間タイムの和がチームのタイムになります。だから「誰が速いか」ではなく「どの区間に何分かかるか」で考える必要があります。区間の距離が違えば、同じ1秒/kmの改善でも効き方が変わります。10kmの区間でペースを5秒/km上げれば50秒縮みますが、5kmの区間では25秒です。同じ努力でも、長い区間に置いた走者のほうが結果への影響は2倍になります。

この計算ツールの平均ペースを、区間ペースの単純平均にしていないのはそのためです。10kmを5分00秒/kmで走る区間と5kmを4分00秒/kmで走る区間があるとき、単純平均の4分30秒/kmはチームのどこにも存在しない数字です。総距離ぶんの総タイムで割った4分40秒/kmが、実際にコース全体で刻んでいるペースです。区間の重みを無視した平均は、レース後の振り返りで必ず食い違います。

区間配置を考えるときは、まず区間の距離を並べて、長い区間から順に走者を当てはめてみてください。長い区間ほど、走力差がそのまま秒数の差になって出ます。逆に短い区間は、誰が走ってもチームのタイムはあまり動きません。走力が拮抗している2人をどちらに置くか迷ったら、迷うだけの差しかないということなので、後述する当日の条件で決めるほうが実りがあります。

第1区と最終区が特別な理由

合計で決まると書いたばかりですが、第1区と最終区だけは合計以外の効き方をします。第1区は唯一、全チームが横一線で走り出す区間です。ここで集団の中にいられるかどうかで、第2区以降の走者が「誰かを追う」のか「一人で走る」のかが変わります。単独走はペースが落ちやすく、その落ち方は計算表には出てきません。第1区に力のある走者を置く定石には、単独走を減らすという意味があります。

最終区、いわゆるアンカーは逆で、順位が確定する区間です。ここまでのすべてがタスキとして渡ってくるぶん、走者にかかる心理的な負荷が最も大きい区間でもあります。数十秒差で前後にチームがいる状態で走るのと、前後に誰もいない状態で走るのとでは、同じ走力でも出るタイムが違います。競り合いの中で崩れない走者を置くほうが、単純に持ちタイムのいちばん速い走者を置くよりよい結果になることがよくあります。

言い換えると、第1区と最終区は「予想外に速い/遅い」が起きやすい区間です。この2区間に配分の余裕を持たせておくと、多少の誤差が出てもチーム全体の計画は崩れません。中間の区間は、逆に予想どおりに走りやすい区間です。持ちタイムからの予測がいちばん当たるのも、そういう区間です。

5km持ちタイムからの予測を正直に使う

「5km持ちタイムから予測」を選ぶと、リーゲル(Riegel)の式で区間タイムを予測します。式は t2=t1×(d2/d1)^1.06 で、指数の1.06は「距離が倍になってもペースは維持できない」という経験則を数式にしたものです。5kmを22分30秒で走る人の10km予測は46分55秒、つまり1kmあたり4分41秒で、5kmのときの4分30秒より11秒遅くなります。この11秒が指数1.06の中身です。

この式が置いている前提は2つあります。ひとつは、どちらの距離も同じように出し切ること。練習で流した5kmのタイムを入れれば、予測も流したペースになります。もうひとつは、その距離を走り切るだけの練習ができていること。ふだん5kmしか走っていない人の10km予測が当たらないのは、式が間違っているからではなく、前提が満たされていないからです。駅伝の区間はたいてい3〜12kmなので、5kmを基準にすれば外挿は2倍程度に収まり、この範囲ならよく当たります。

当たらない条件もはっきりしています。まず起伏です。リーゲルの式は平坦なコースで測ったタイム同士の関係で、上りが続く区間では確実に遅くなります。次に気象条件。気温が20度を超えるあたりからペースは落ち、25度を超えると持ちタイムどおりには走れません。冬の駅伝でも、向かい風の強い河川敷の区間では同じことが起きます。そして単独走。前を追える位置にいるかどうかで、同じ走力でも数十秒動きます。予測はあくまで「平坦・好条件・出し切ったとき」の数字だと考えて、実際の配分ではそこに余裕を足してください。

タスキ渡しの段取りは経過タイムから組む

区間表のいちばん右の「タスキ渡し(経過タイム)」は、スタートから数えて何分後にその中継所を通過するかを示しています。この列は、レース当日に最も使う数字です。第3区の走者は、自分の出番が1時間31分後だと分かっていれば、いつウォーミングアップを始めればいいかを自分で決められます。中継所によっては受付や召集の時刻が決まっているので、そこから逆算した集合時刻もこの列から出せます。

駅伝でいちばんもったいない失敗は、走力ではなく段取りで起きます。中継所に間に合わない、アップが早すぎて冷え切っている、逆にアップが足りないまま走り出す。どれも通過予定時刻を共有していれば防げるものです。実際には予定より速く来ることも遅く来ることもあるので、経過タイムには前後10分程度の幅を持たせて伝えてください。特に前半の区間で予想より速い走者が出ると、後半の中継所は一気に前倒しになります。

移動の段取りにも同じ表を使えます。中継所間を車で移動する場合、次の中継所への到着が通過予定時刻より前になっているかを、この列で確認できます。区間が短く連続しているコースでは、移動が間に合わないことが実際に起こります。

目標タイムから逆算するときの順番

目標タイムを入れると、それを全区間均等のペースで達成する場合の必要ペースと、区間ごとの必要タイムが出ます。均等を基準にしているのは、それが唯一チーム全員に同じ言葉で伝えられる数字だからです。実際のレースで均等に走るべきだ、という意味ではありません。

使い方の順番はこうです。まず現実的な配分(いまの持ちタイムどおり)を入れて、予想フィニッシュタイムを出します。次に目標タイムを入れて、差が何秒あるかを見ます。その差を、どの区間で作るかを決めます。ここで効いてくるのが最初に書いた重みで、10kmの区間で5秒/km速く走れば50秒、5kmの区間なら25秒です。60秒縮めたいなら、全員が均等に10秒ずつ縮めるより、長い区間の走者ひとりが集中的に伸ばすほうが現実的なことがよくあります。

差が5分を超えているなら、配分の問題ではなく走力の問題です。その場合は目標タイムを見直すか、レースまでの期間を確認してください。8週間あれば持久力は動きますが、2週間では動きません。逆に差が30秒以内なら、走力を変えなくても届く範囲です。第1区の位置取り、タスキ渡しの手際、中継所での減速。この3つで30秒はよく変わります。

この計算の前提と限界

この表は、入力したペースで各区間を走り切ったらどうなるか、という単純な掛け算と足し算です。前提として置いていないものが3つあります。第一に起伏で、上り基調の区間はペースが落ち、下り基調では上がります。第二に気象条件で、気温・風・路面がタイムを動かします。第三にタスキ渡しそのもので、中継所での減速や受け渡しのロスは1回あたり数秒から十数秒になります。6区間なら、それだけで1分近い差になることもあります。

区間距離のプリセット(5-10-5-10-5-7.195km)は、フルマラソンと同じ42.195kmを6人で分けるときの一般的な構成例であって、実在の大会の正式な区間距離ではありません。区間数も区間距離も大会ごとに異なり、同じ大会でもコース変更で年によって変わります。出場する大会の要項が手元にあるなら、必ずそちらの距離を入れてください。プリセットはあくまで、要項がまだ手元にない段階で計画を立て始めるための出発点です。

予想フィニッシュタイムは、全区間のペースがそろって初めて出ます。途中まで入力した状態で合計を出さないのは、走者がひとり足りないチームのほうが速く見える表を作らないためです。同じ理由で、未入力の区間から先のタスキ渡しの経過タイムも出しません。中継所に伝える通過予定時刻は、ひとつでも欠けたら意味をなさないからです。